米麹はなぜ“体にいい”のか?腸内細菌への作用を科学的に解明
「米麹は体に良い」と古くから言われてきましたが、その理由を科学的に説明する研究はこれまでありませんでした。
今回、サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が代表を務める腸内細菌研究企業・AuB(オーブ株式会社)が、香川大学との共同研究により、米麹が腸内の善玉菌に与える影響を明らかにしました。
注目されたのは“酪酸菌”
今回の研究で焦点が当てられたのは、免疫をコントロールする酪酸菌の一種「フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(フィーカリ菌)」です。
フィーカリ菌は健康な成人の腸内に多く存在し、場合によっては腸内細菌全体の最大15%を占めるともいわれる重要な菌です。免疫機能との関係でも注目が高まっています。
米麹が善玉菌の“エサ”を生み出す
研究では、米麹に含まれる成分がどのようにフィーカリ菌の増殖に関与するかを検証しました。
その結果、米麹に含まれる消化酵素「α-アミラーゼ」がでんぷんを分解する過程でオリゴ糖を生成し、それがフィーカリ菌の“エサ”となることで増殖を促すことが確認されました。
実験では、米麹エキスを添加した培地において、フィーカリ菌の量が蒸留水のみの場合と比べて約1.2倍に増加する結果が得られています。

鍵は酵素、そして“相乗効果”
さらに検証を進めたところ、フィーカリ菌の増殖にはα-アミラーゼの働きが重要であることが明らかに。
米麹エキスを熱処理すると菌の増殖効果がほぼ失われたことから、熱に弱いタンパク質、すなわち酵素が関与していることが判明。その後の分析で、α-アミラーゼが増殖促進に寄与している可能性が確認されました。
一方で、精製したα-アミラーゼ単体よりも、米麹エキスそのものの方が高い増殖効果を示したことから、ビタミンなどの栄養素との相乗効果も重要であると考えられています。
“言い伝え”から“科学”へ
これまで甘酒や味噌、塩麹といった伝統食品は「体に良い」とされてきましたが、その根拠は主に経験的なものでした。
今回の研究は、米麹に含まれる酵素と栄養素が組み合わさることで腸内環境に働きかける可能性を示した点で、こうした言い伝えに科学的な裏付けを与えるものといえます。
なお、本研究は2026年1月に国際学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。
今後の展望:機能性食品開発への応用も
共同研究を行った香川大学の桑原知巳氏は、今回の成果について次のようにコメントしています。
米麹由来の酵素による酪酸菌の増殖補助は、有用菌と栄養素を組み合わせた「シンバイオティクス」の設計や、機能性食品の新たな戦略として注目される可能性があるといいます。
今後はヒトの腸内環境における効果検証を進めることで、米麹の新たな健康価値の解明が期待されています。
腸活市場の広がりとAuBの取り組み
腸内環境への関心が高まる中、AuBは「オーブ フードパントリー」という腸活食品ブランドも展開しています。
消費者が商品選びに迷いやすい“腸活市場”において、専門家の視点で厳選した商品を提案することで、日常生活の中で無理なく腸内環境を整えるサポートを目指しています。
米麹の持つ機能性に科学的な光が当たり始めた今、発酵食品の価値は改めて見直されるフェーズに入っているのかもしれません。
【AuB株式会社 概要】
サッカー元日本代表・鈴木啓太氏が代表を務める腸内細菌研究企業。アスリートのコンディショニング支援で培った知見をもとに、腸内環境の解析や食品開発などを通じて、健康づくりに寄与する事業を展開しています。
会社名 :AuB株式会社(オーブ株式会社)
代表者 :代表取締役 鈴木啓太
設 立 :2015年10月15日
所在地 :東京都中央区銀座7-13-6
事業内容 :腸内細菌解析事業、コンディショニングサポート事業、フードテック事業
コーポレートサイト:https://aub.co.jp/


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