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【UNICORN’s Art Discovery】現代アートに触れる 川井徳寛氏 猫礼賛祭壇画

普段、SNSやネット、雑誌やテレビなどあらゆるメディアに触れながら、感性を磨いている人も多いはず。たまには現代アートに触れて感性と共に美意識を磨いてみるのも良いのでは。

「UNICORN’s Art Discovery」では現代アートを読み解いていきます。今回のアートは2025年11月29日(土)まで南青山のGYOKUEIで開催されている『川井徳寛 ー猫礼賛祭壇画ーTokuhiro Kawai “Altarpiece of Cat Adoration“』です。

『川井徳寛 ー猫礼賛祭壇画ーTokuhiro Kawai “Altarpiece of Cat Adoration“』

「睡眠礼賛」
「睡眠礼賛」

一見して、リアルな猫の描写に思わず惹かれるこの絵画作品の数々は、猫という存在を、ただの愛らしさではなく「神聖なる奇跡」として描いているのが特徴です。

猫は癒しや愛らしさの象徴として語られがちですが、川井氏にとって猫は、そのような単なる愛玩動物と位置付けてはいないのです。

「結合した疑問符」
「結合した疑問符」
「何かが見える」
「何かが見える」

初期ルネサンス絵画のモチーフに重ね合わせることで、猫を「守護神」「媒介者」「人間社会の鏡」へと昇華しています。

川井氏は、これまで「平和」という根源的テーマを追求してきました。それを基盤に、猫という存在を媒介として、人間の内面や平和のあり方を問いかける世界観を構築しています。

アーティストの肖像

【Profile】

川井 徳寛(かわい とくひろ)氏

川井 徳寛(かわい とくひろ)氏
1971 東京生まれ。1995 東京芸術大学 美術学部絵画科油画専攻 卒業。1997 東京芸術大学 大学院 美術研究科修士課程絵画専攻 修了。

川井氏は、幼少期から猫と深い関係を築いてきました。

実家では、生まれる前から猫を飼っていたこともあり、物心つく前から猫は家族であり、友人のような存在でした。しかし中学時代に初めての別れを経験し、心に深い喪失感を刻むことになります。

その後、保護猫との再会を経て、18年間にわたり寝食を共にし、猫は「人生の安定と癒しの象徴」となりました。

この一連の体験は、画家としての美術表現に昇華され、代表作「飼い猫の幻視」などに結実しています。

そして近年は、初期ルネサンスの宗教祭壇画の様式を用いて、猫という存在を神聖なものとして描く「猫礼賛祭壇画」シリーズを展開しており、今回の展示ではその世界観を存分に感じることができます。

「おはじきで遊ぶ」
「おはじきで遊ぶ」
「猫に愛」
「猫に愛」

テンペラ技法(※)と油彩・水性素材を組み合わせた独自開発の手法で、緻密な線描と深い質感を両立させています。

※古くイタリアで宗教画に用いられた絵画技法で、卵や鑞(ろう)などの乳化作用を持つ物質を固着材として使用する。

アーティストへのインタビュー

「Soul Connection」
「Soul Connection」

川井氏に今回の見どころや所感、今後の展望についてお話をうかがいました。

―今回の展示の見どころや見るポイントを教えてください。

川井氏:まずはシンプルに、猫の持つ可愛らしさやユーモラスな佇まいが表現できているかを見ていただきたいです。

その上で、それぞれの作品に込めた思いが伝わればより嬉しいですが、鑑賞する方が各々の感想を持ってくださることも、こちらとしては新たな発見があり、ありがたいことです。

また実際、会場に足を運んでいただき、写真には写らない実物の金箔や絵具の質感、作者手作りの額縁の存在感等を味わっていただけたらと思います。

―今回の展示は、ご自身にとってどのようなものですか?

川井徳寛展

川井氏:今までも猫の作品は描いてきましたが、それ以外の主題の作品も多く描いてきました。
今回は自身の展示としては初めて『猫』という主題を統一した展示にしたことで、作者の思いをよりシンプルに伝えることができているかなと思います。

―今後の展望は?

川井氏:今後、猫以外の主題を描くこともあるかもしれませんが、ここ2年ほど続けている額縁の自作と、金箔とテンペラを使って猫を描くということを、もうしばらく追求してみたいと思っています。

川井徳寛展

*

作品からは、猫への愛を超えた平和や癒しを存分に感じることができます。画像で観るのとは違う、実物の作品に触れることで感じられるものもあります。ぜひ足を運んでみてくださいね。

【Information】
川井徳寛 ー猫礼賛祭壇画ー
Tokuhiro Kawai “Altarpiece of Cat Adoration”

11月5日(水)~11月29日(土)展示(10時30分~18時30分)
GYOKUEI(東京都港区南青山6-8-2 1階) *日祝休廊

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