不動産投資を始めるなら必読! 初心者が陥りがちな”3つのワナ”

この人生100年時代。老後資金の準備は、「投資」で行うのがトレンドですが、中でも不動産投資は人気の投資方法の一つ。気になっている人も多いのでは?

今回は、年収1,000万を超えるハイクラス層を対象に行った不動産投資に関する実態調査の結果や、不動産コンサルタントからの初心者向けアドバイスをお届け! 特に初心者が陥りがちな不動産投資の3つのワナは必見です。

ハイクラス層の不動産投資の目的は?

不動産コンサルティングのホームコンサルティングソリューションズ株式会社が、2024年11月、不動産投資を行う年収 1,000 万円以上のハイクラス層の全国男女25~60歳の300名を対象に実施した「不動産投資に関する実態調査」によれば、不動産投資を始めた目的のうち、53.3%と半数以上が「老後の年金対策」と回答しました。

不動産投資を始めた目的

次いで、「副業として(48.3%)」「税金対策(21%)」と続きます。

保有する投資用物件

保有する投資用物件は「一戸建て」が33%と最も多い結果となり、次いで「ワンルームマンション(31%)」、「ファミリー向けマンション(30%)」に。

また今後は、関東・関?の都心部の物件購入を検討している人が多く、86%が追加購入を検討していました。

なぜ一戸建てへの投資が増えている? 不動産コンサルタントの見解

不動産投資


このような現状を受け、不動産コンサルとして 20 年以上、投資用不動産の市況を見てきた同社代表の小林大祐さんが寄せていたコメントによれば、一戸建てへの投資が増えている理由について「住宅用で売れ残った戸建てが投資用に回されている」といいます。

その背景として、「住宅価格の高騰、人口減少の影響が郊外では顕著で、一戸建てが売れない時代となった」と指摘しています。

また、価格面で一戸建てが購入できない層が、賃貸でも戸建てに住みたいという賃貸・戸建ての需要も増えていることも背景にあるといいます。

一方で、「資産性が担保しながら居住性を担保できることから、土地値比率が高い一戸建てはフレキシビリティが高い選択肢が準備できる」と解説しました。

初心者が投資物件を購入する際に陥りがちな罠3選

これから不動産投資を始めたいと考えているなら、ぜひ罠に陥らないように注意しましょう。小林さんに3つの罠と回避策を教えていただきました。

1.売れ残り戸建ての罠

「売れ残り物件は一見、お得に感じるかもしれませんが、その裏には需要の低さや立地の問題、将来的な価値の下落リスクが隠れています。

中には地方の売れ残り一戸建てを、都心の高所得者向けに不適切な手法で販売する悪質な業者もあります。『価格が安いから』『土地がついているから』と安易に投資をすると、借りる人がいない、施設に不備があるなどのトラブルとなることもあるので注意してください。

私は不動産投資を『投資』ではなく『事業』ととらえています。リスクをコントロールできる『ビジネスマンとしての資質と素養』と『リスク許容度(年収、預金)』があれば、売れ残り物件も有効な資産形成の手段としてあり得るでしょう」

2.表面利回りだけを重視する罠

「初心者がよく陥る罠の一つに『表面利回りが高い物件を選べば良い』と思い込むことがあります。『表面利回り』はら物件価格に対する年間家賃収入の割合を示しますが、『高利回り』をうたう物件の中には、『需要の低いエリア』にあるものや、間取りに競争力がないことから空室が埋まらないものも含まれているため、そもそも想定した稼働率が維持できない物件や、売却時に購入当初の金額よりも大きく目減りした金額になる可能性があり、注意が必要です。

回避策としては、その投資対象の立地が永きに渡り、住宅用地としてのニーズが維持できるかどうか。また、その物件が競争力のある間取りであるかどうかが重要です。

それらを前提として、長期的な収益性を見極めることと、購入前に中長期的なそのエリアの住宅需要や賃貸需要を綿密に調査し、堅牢な需要が永きに渡り確保できるかどうか確認することをおすすめします」

3.資金計画を誤る罠

「資金計画の甘さも罠の一つです。不動産投資では購入時に必要な費用だけでなく、物件を運営する上で避けては通れない入退去に伴う『原状回復費用』や『空室リスク』も考慮する必要があります。

しかし、初心者はこれらの費用を見落としがちで『思ったよりも収支が合わない』『手元資金が不足して修繕費が出せない』という事態に陥ることがあります。

これを回避するためには、事前に十分な資金計画を立て、購入後も余裕を持った予備資金を確保しておくことが大切です。また不動産投資は銀行融資の活用が前提となりますが、返済期間をより長く、金利をより低金利に資金調達し、自身のリスク許容度に合致した余裕を持った返済計画を立てることをおすすめします」

不動産投資の初心者に向けたメッセージ

不動産投資を行おうとしている初心者に向けて、メッセージをいただきました。

「不動産投資は『事業』のため、誰でも簡単に参入できるものではありません。一定レベルの軍資金と、自ら不動産事業を立ち上げるための覚悟が必要です。

裏を返せばそのような条件を満たせば、世界的に人気のある日本において現物資産という硬い資産を金融機関から大きなレバレッジを活用し、十年、二十年単位で大きな資産を構築することできるということ。

選定する『場所』と『物件』さえ間違えなければ、今後も外資流入により、日本の不動産価値は上がるため、ご自身のステージやリスク許容度(年収・軍資金)などを踏まえて慎重に参入を検討していただけたらと思います」

不動産投資を始める際には、ぜひ「事業」としてとらえ、日々のビジネススキルを高めることもポイントといえるようですね。

【取材協力】

小林 大祐さん

小林 大祐さん
ホームコンサルティングソリューションズ株式会社 代表
大学卒業後、富士ゼロックス関連会社に就職。富士ゼロックス本社に移籍。企業戦士となるが「株式会社は株主の為に存在する事」に気づき、27歳で兼業で創業。 金無しコネ無し知識無しの全くのゼロから、総資産 30 億円を築く。
現在までに「グループ企業7社」を保有運用し、ゼロイチの事業設計と、事業経営者に不可欠な経営者マインドを、「不動産」を入口として入会した会員へ経営アドバイスを営む。
小林大祐 X
YouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」

photo by Breno Assis
photo by Tierra Mallorca

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