キレイと健康のために。PFAS汚染から考えるこれからの飲料水の選択肢
美容と健康に欠かせない水。近頃の夏場は熱中症対策として多くの飲料水を確保する必要性が高まっており、水道水の汚染問題は決して他人事ではなくなってきています。
安心安全の飲料水を手に入れるためにさまざまな選択肢がある中で、環境配慮も含めた賢い選択が求められています。
今回はカラダに良い飲料水を選んでいくためのヒントをご紹介します。
知っておきたい水道水のPFAS汚染

水道水の汚染問題として、連日ニュースを騒がせているのが、「PFAS(ピーファス)」です。有機フッ素化合物の総称で、水や油をはじいて自然界でほぼ分解されないこと、発がん性があることが問題視されています。
環境省が公表した河川や地下水などの令和4年度の調査結果をNHKが視覚化した「“PFAS汚染”全国マップ(河川・地下水等)」で、自分の住む街の汚染度をチェックして対応策を取りましょう。
参考:NHK“PFAS汚染”全国マップ(河川・地下水等 令和4年度)個人ができる対策方法としては、PFASをある程度除去できる浄水器を設置する、ミネラルウォーターを定期購入する、安全な水が供給されるウォーターサーバーを選択するなどが考えられます。
PFAS汚染水の浄化システムの研究が進む
各地で高濃度のPFAS汚染が確認されている中、PFASを水から除去する研究と実証実験が進められています。
直近のニュースとして、2024年7月にAホールディングスという会社が、静岡市におけるPFAS汚染除去の実証実験を独自の汚染除去技術によって成功させました。
高濃度のPFASが検出されていた静岡市の「三保雨水ポンプ場」では、従来は「活性炭」による浄化を実施していました。一定の効果は得られていましたが、大量に浄化するには大きな設備が必要になること、PFASが付着した活性炭の処分に困ることなどの課題がありました。
そこで同社の「亜臨界水総合システム」を用いたところ、除去率80%が証明されたのです。
「亜臨界水総合システム」の仕組み
PFAS除去に成功した亜臨界水総合システムの仕組みを簡単にご紹介しましょう。
実証実験では、「加圧浮上分離装置」によってPFAS処理が行われました。次のような処理の流れで進んでいきます。
1.PFASと泡を付着しやすくするため、汚染水に薬品を投入。
2.加圧と減圧を繰り返して非常に小さな泡を作る。
3.PFASが泡に付着して水面に浮き上がる。
4.浮き上がったPFASを回収することで汚染水からPFASと水を分離。
この加圧浮上分離装置により、超微細気泡を安定的かつ大量に製造するノウハウにより化学物質の分離・除去に成功しました。今後、さらなる研究と実証実験を進めていく予定です。
また同社はPFASの問題解決のみならず、CO2やダイオキシンなどのあらゆる環境問題の解決を目指し、SDGs先進都市づくりを進め、世界へと発信展開していきたいと公言しています。
現在、PFAS除去機能付き家庭用浄水サーバーの開発を進めているそうなので、発売されたら、ぜひ手に入れたいですね。
効果の高いミネラルウォーターを選択する

水道水の汚染が気になるいま、美容や健康面からもミネラルウォーターを積極的に選択していくことも重要と思われます。
硬度が300mg/l以上の硬水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいるため、ダイエット中のミネラル補給に最適といわれています。
ただ、硬水は普段から飲み慣れないと飲みにくいことから、比較的飲みやすいヴィッテルやエビアンなどを取り入れると良いでしょう。
【参考】硬度
ヴィッテル 768mg/l
エビアン 304mg/l
東京都の水道水 平均値約60mg/l
出典:東京都水道局
ただし、ミネラルウォーターの中にはPFASが検出された例もあるので、よくニュースなどを確認して安全な水を選びましょう。
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今や飲料水も選ぶ時代となりました。ぜひPFAS汚染についても知識を深めて、美容と健康のための水選びに活かしていきましょう。
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