1億 “総個人事業主化”社会がくると投資は必須になる!知らなきゃ損!な税金優遇制度って?
老後の資産のこと、どのくらい考えていますか? 人生100年時代。できるだけ長く楽しく充実した生活を送るために、多くの資産を残したいものですよね。そのためには、お金の知識が必要!
2024年7月26日に、スマホ会計アプリを提供する会計バンクが、フリーランスのための最新資産形成セミナーを開催。1級FP技能士 森川敏彦さんが新NISAや個人事業主などの資産形成について徹底解説しました。
フリーランスに限らず、実業家やこれから独立を考えている人にも役立つトピックスが紹介された中から、役立つ情報をピックアップしてお届けします。資産形成に必要な金融知識として、ぜひチェックして!
資産形成の基本は貯蓄と投資! 投資の効果は?
資産形成の基本は、貯蓄と投資ですが、投資の効果は数字で比べると意外と大きなものであることがわかります。
投資の効果
形成した資産を取り崩す時期によっても変わってきます。
1.毎月3万円を25年間、貯蓄するか投資するかでどう変わる?
毎月3万円、利回りほぼ0%でお金を貯金しておくだけでは25年間で約900万円。一方、利回り3%で投資して運用していくと1,330万円と約1.5倍にも!!
2.取り崩す時期によっても変わる!
資産2,000万円を利回り0%で毎月10万円ずつ取り崩しながら暮らしていく場合、16年8ヶ月で手元のお金がゼロに。
一方、毎月10万円を利回り2%で”運用”しながら取り崩していく場合、20年4ヶ月となり、手元の資産の寿命が4年ほど延びます。
投資のポイント
投資よりも貯蓄のほうが親しみやすさを感じる人も多いはず。でも投資の効果は見逃せませんよね。森川さんによると、「投資はリスク(不確実)が小さく、リターン(利益や損失)が大きいことは絶対にない」という前提で考えると良いそうです。それを踏まえた上で、投資のポイントを見ていきましょう。
1.長期投資
一定の金額を長期間に渡って分散して投資するのが基本。毎月同じ金額を等分に国内外の株式・債券に投資をしていれば、リスクとリターンが大きくならずに済みます。
2.資産・地域(通貨)の分散
基本は株式投資ですが、株式だけに頼らず債券にも投資するなど、値動きの異なる複数の通貨に分散させることがポイント。
例)
世界一の年金ファンドである日本のGPIF年金積立金管理運用独立行政法人は、昨年は250兆円の投資で40兆円の利益を生んでいます。
GPIF年金積立金管理運用独立行政法人のポートフォリオを見てみると、債券と株式を国内と国外のもの半分ずつ、4等分しています。
このように、投資の基本は長期間に渡り、一定額を継続的に資産と通貨を分散して投資することが鉄則となります。
税制優遇制度を最大限に使う
お金を増やす他に、税金と上手に付き合うことによって、使えるお金を増やすこともできます。例えば、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を最大限に活用することが有効です。
税制優遇制度とは、投資で得た利益に対して税金がかからない優遇措置のこと。通常であれば投資で得た利益に対して約20%の税金を払う必要がありますが、税制優遇制度ではそれが免除され、利益が全額手元に残ります。
NISA活用のポイント
NISAは少額からの投資を行う人向けの「少額投資非課税制度」で、投資で得た利益が非課税となります。
2024年の大改正で、年間投資枠が合計360万円、生涯に渡って1,800万円の投資枠ができました。
NISAの留意点として、NISAを使うと損益通算、繰越控除ができないことがあります。つまり、マイナスになったものを売却してもマイナスのままで、プラスになった場合のみ非課税になるということ。そのため、投資を手広くやってる人は少し敬遠していますが、投資の初心者には使わない手はないといいます。
iDeCo活用のポイント
iDeCoとは、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せされる、老後資金づくりを目的とする年金制度の一種です。「個人型確定拠出年金」と呼ばれ、個人が自ら掛金を出して運用し、老後資金を作ります。
【iDeCoの3つの税制優遇】
1.拠出時の「所得控除」
一定の金額をiDeCoに入れる(拠出する)と、入れた金額は上限なしですべて所得控除を受けられます。
2.運用益は非課税
運用している間の利益は非課税となります。
3.受取時の「公的年金控除」または「退職所得控除」など
iDeCoを受け取るときは「退職所得控除」扱いとなります。厚生年金や国民年金と同じ扱いとなるため、フリーランスや個人事業主にとって注目です。
加入期間を勤続年数と読み替えて計算。20年までの加入期間については1年あたり40万円、20年を超えた加入期間については1年あたり70万円の控除が得られます。
例)20年、iDeCoに加入した場合:800万円がiDeCoで作った資産から非課税の枠として差し引かれる。
30年、iDeCoに加入した場合:1,500万円がiDeCoで作った資産から非課税の枠として差し引かれる。
iDeCoの留意点として、60歳まで受け取れないこと、受け取り方で税金が異なること、所定の信託報酬や口座管理手数料などがかかること、手数料を上回る運用を行わないと元本割れすることなどがあります。
小規模企業の経営者や役員、個人事業主が使える将来の備え
小規模企業の経営者や個人事業主は、会社員と違って退職金がないため、将来に備えられる制度があります。候補に挙がるのが、iDeCoと小規模企業共済です。
1.iDeCo
自営業者などの国民年金第1号被保険者は、月々68,000円、年間81万6,000円の受け取りが上限となります。
2.小規模企業共済
中小機構が主催する、自分の退職金を作ることができる共済で、積み立てた掛け金を全額所得控除にのせることができます。共済金は、退職・廃業時に受け取り可能。
iDeCoとの併用もできるので、より高い節税効果が期待できるそう。
青色申告のススメ
少しでも税負担を減らすために、確定申告は青色申告を行いましょう。
確定申告の申告方式は、大きく白色申告と青色申告の2種類に分かれます。白色申告は、申告のための経理作業がシンプルで済みますが、節税メリットが少ない方法です。
青色申告は、白色申告よりも厳密な会計帳簿の提出が必要である一方で、最大65万円の所得控除が受けられたり、赤字を繰り越せたりするなど節税メリットの多い方法です。
小規模事業者の方は、ぜひ青色申告を行いましょう。
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会計バンクによるセミナーの一部をご紹介しました。会計バンクはフリーランスを応援しており、フリーランスや個人事業主、お店のオーナー、副業ワーカーまですべてのスモールビジネスに寄りそったスマホ会計アプリ「スマホ会計FinFin」を提供しています。スマホ一つで日々の会計業務から請求書や領収証の発行、確定申告まで行えるため、このようなアプリを利用しながらしっかりと日々の会計管理を行うことが、お金の無駄を削減し、節税につながり、将来の資産形成に良い影響をもたらしそうですね。
【プロフィール】
森川敏彦 先生
日本FP協会認定CFPR
1級ファイナンシャル・プランニング技能士 慶應義塾大学卒業。20年以上にわたり、個人・法人に起こり得るお金にかかわる諸問題を解決すべく、ファイナンシャル・リテラシーの重要性を伝える方法として、セミナーや執筆を精力的に行う。まもなく社会人となる学生の方やシニアの方まで幅広くお金の教育に力を入れている。
森川FPオフィス
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