【推し活トレンド】推し活のDXが加速中。スケジュール管理からAI搭載アプリまで
推し活界隈ではいま、「デジタル推し活」がトレンドになっているのをご存知ですか? 推し活に励む人々は、アクティブにデジタルを活用し始めています。さまざまな技術と組み合わせることにより、推し活がよりディープに、また利便性向上にも役立っているんです。
そして推し活とはまったく関係がなかったスケジュール共有アプリが、推し活に活用され始めたという奇跡も起きているんですよ。
そこで今回は、デジタル推し活を後押しするアプリや技術などをご紹介。スケジュール共有アプリの推し活への活用については、アプリ開発元の代表者に特別インタビューを実施しましたので、必見です!
「TimeTree」公開カレンダーとウィジェットで抜け漏れのないスケジュール管理!
「TimeTree(タイムツリー)」をご存知ですか? これは自分のスケジュールを登録してアプリ上で管理できるのはもちろん、家族やパートナー、友人、仕事仲間などと共有できちゃう便利なカレンダーシェアアプリ。
実はこのアプリ、推し活にぴったりなことが判明し、今や推し活をする人々の御用達アプリになっているんです。
例えば、「公開カレンダー」という機能があり、アイドルやアーティスト、芸人などが自分たちのスケジュールを公開中。ファンは自分のカレンダーと同期できるので、常に推しの最新スケジュールが自分のカレンダーに登録できるというわけ。かつては紙の手帳にコツコツ書き込んでいたものですから、かなり便利になりましたよね。
さらに、最近では「公開カレンダーウィジェット」機能もリリースされ、スマホのウィジェットに推しのアイドルやアーティストから予定情報はもちろん、画像も届くようになりました。ファンにとってはたまりません!

ところで、そもそもTimeTreeは推し活アプリとして開発されたわけではないはず。どのような経緯で推し活に活用されるようになったのでしょうか。株式会社TimeTree 代表取締役社長の深川泰斗さんにお話を伺いました。

九州大学大学院で社会学・文化人類学を学び、2006年にヤフー株式会社へ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当。2012年にヤフーからカカオジャパンへ出向後、2014年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)を共同設立。2015年3月にカレンダーシェアアプリ「TimeTree」をリリース。
推し活とサービスが結び付いたきっかけ
深川社長:TimeTreeは、「共有とコミュニケーション」をコンセプトに生まれたカレンダーシェアアプリです。2014年の会社設立当初から、家族やパートナーなど大切な人と予定を共有する「共有カレンダー」に加え、アーティストのライブやスポーツの試合など、コミュニティで共有されるスケジュールも把握できる“オープンなカレンダー”=「公開カレンダー」の構想がありました。
その後、2017年に「公開カレンダー」の提供を開始しましたが、当時は「共有カレンダー」の開発に注力していたため、本格的な展開はできずにいました。ところが2023年頃から、アイドルの方々がファンとの予定共有にTimeTreeを活用してくださっている事例が見られるようになり、改めてその価値に手応えを感じました。そして2024年4月、ついに「公開カレンダー正式版」としてリリースに至りました。
このような背景と重なるように、社会では“推し活”という文化が広がりを見せています。私たちは、多様な“推し”を応援する方々にとって、スケジュールを「知る」だけでなく、「一緒に過ごす」感覚や、「日々の暮らしの中でふと目にする」ことで元気をもらえるような体験が大切だと考えています。カレンダーはまさに生活の基盤です。その基盤の中に“推し”の存在が自然に入り込むことで、応援する楽しさを日常の中でさらに豊かにできる――そう信じて、この方向性をかたちにしてきました。
「公開カレンダー」だけでなく、推しの予定と推しの限定画像をスマホ画面でいつでも感じられる「公開カレンダーウィジェット」も開発し、2025年2月にリリース。2025年5月にはアイドルグループ「超特急」さんをアンバサダーに迎え、多くのファンの皆さんに支持いただいています。ウィジェットにはアイドルだけでなく、アニメ(「プリンセッション・オーケストラ」)や芸人、クリエイターなどにも導入いただいています。
“推し”は、誰にとっても日々の生活を支えてくれる大切な存在です。TimeTreeは、そんな「応援する日々」をより豊かにする、新しい“推し活インフラ”となることを目指しています。
今後の展望
――このように代表者の方に深く、熱い思いがあると、推し活に活用する側としてはなんだか嬉しいですよね。今後、「公開カレンダー」や「公開カレンダーウィジェット」については、より使いやすく、より魅力的な体験へと進化させていく予定とのこと。そしてこんな新機能も予定しているそうですよ。
深川社長:今後も私たちは、“好き”と一緒に過ごす時間をもっと広げられるような体験を提供していきたいと考えています。
例えば現在開発中の一つが「イベントアシスト機能」です。カレンダーに登録された予定の内容をもとに、必要なToDoをAI(LLM:Large Language Models:/大規模言語モデル)が自動で提案してくれる機能です。
例えば、応援しているアーティストやクリエイターのイベントへの”遠征”に向けて、持ち物や準備、リマインド事項などを、ユーザーに代わって自動でToDoを生成してくれたり、旅行行程などを整理してくれるような世界観を目指しています。
また、世の中に出ている気になるイベント情報を、自分のTimeTreeカレンダーにそのまま取り込めるような仕組みも整えていきたいと考えています。これにより、忙しい日々の中でも、推しとの予定を手軽に自分の生活に取り入れやすくなります。
さらに、同じ“推し”を応援する仲間と予定を共有したり、イベント前後に感想をやり取りできるような、コミュニケーションの導線も検討中です。現在も一部のユーザーの方々が共有カレンダーなどを活用して実践されていますが、これをもっと多くの人にとって使いやすく広げていきたいと考えています。
――なんだかワクワクしてきますね。推し活のインフラの一つとして、今後も期待していましょう!
推しと会話できるアプリ「OSHIAI(オシアイ)」

続いて紹介するのは、推しの分身AIとの会話を可能にするAIチャットアプリです。
推しがいると、「もし、推しと偶然遭遇したら、どんな会話をしようか……」なんて、イメージすることもありますよね。そのドキドキ感がたまりません!
まさか、本当に推しと話せる時代が来たとは……!
OSHIAIは、生成AIで作られた、推しの分身AI「アイ」とチャットができるコミュニケーションアプリです。単なる生成AIのキャラではなく、実在のタレントやライバーの彼や彼女たちのデータをAIに学習させているのがポイント! つまり、本物としゃべっているかのような感覚を楽しめるというわけです。
しかも夢のような「1対1」でのコミュニケーションが可能なのはさらに嬉しいポイント。
ここまで来た!という感じですね。今後は、リアルにしゃべる3Dの推しと日常的に会話できる日が来るかも!?
ARを活用した聖地巡礼ツアー

推し活を行う人々の移動を伴う推し活には、ライブ参戦・遠征のほか、聖地巡礼ツアーがあります。特にアニメやマンガ、小説、映画などの作品に基づく推し活の場合は、欠かせないイベントです。
そんな聖地巡礼ツアーを企業が本格的にサポートし始めています。
先日は、JALとKDDIがタッグを組んで、聖地巡礼ツアーを企画。映画「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章」を題材にし、沖縄県でARコンテンツを提供しました。
聖地のスポットで、スマートフォンの画面越しに歩き回るキャラクターたちが、実際にその場にいるかのような臨場感で楽しめるのです。
最先端の技術を持つKDDIと旅のエキスパートJALだからこそできた、画期的なサービスですね。今後、定例化していくとファンたちは喜びそうです。
まとめ
推し活のデジタル化の最新情報をお届けしました。従来と比べて、推し活周りのインフラが整ってきているように感じます。
読者のみなさんにとっては、推し活を行う立場だけでなく、推し活サービスを提供する立場でもあるでしょう。デジタル推し活は、ビジネス視点でも注目の話題といえるのではないでしょうか。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。