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AI台頭のこの時代、ITフリーランス最強説!?女性エンジニアの働く環境について、専門家が解説

近年、国内のフリーランスの有業者に占める割合は3.1%となっており、209万人中、男性146万人、女性63万人と、女性の割合は約30%です(※1)。これからさらに女性の活躍が期待される中、サポートが必要といえます。

今回は、ITフリーランスエンジニアと案件を結ぶプラットフォームを展開する株式会社PE-BANKの担当者に、ITフリーランスの働く環境の現状や課題をインタビューしました。起業家や経営層の女性にとっても必見のビジネストレンドです。ぜひ参考にしてください。

※1 総務省「令和4年就業構造基本調査」

ITフリーランスエンジニアが集まるパーティを開催

プロエンジニアパーティ

同社は、登録するITフリーランスエンジニアのねぎらいと交流の場としてリアルイベントを定期的に開催しています。毎年恒例になっているのが、「プロエンジニアパーティ」です。

家族・友人も参加OKで、2024年12月21日に東京・雅叙園で開催された会には350名ほど、2025年1月18日に全国の拠点ごとの会場で開催された会では各拠点総勢300名が集まりました。

日頃の労をねぎらいながら、エンジニア同士や社員とのつながりを温かく深める機会となったそう。代表挨拶から歓談や余興、食事まで大盛り上がり。反響も多く寄せられました。

プロエンジニアパーティ

そのイベントのプロジェクトリーダーを務めたのは、営業推進部の女性部長である錦織瑞恵さん。女性登録者に関する気になる情報をインタビューしてみました。

【取材協力】

錦織 瑞恵さん

錦織 瑞恵さん
株式会社PE-BANK 営業推進部 部長
1998年に首都圏コンピュータ協同組合(現PE-BANK)に事務職として入社。所属エンジニアの増加に対応するため営業に。マネージャー職を経て、2014年に産休取得。2015年にビジネスプロモーション部で復帰し、2021年から営業推進部の部長として活躍している。

――近年、登録している女性のITフリーランスエンジニアの割合はどのくらいですか?

「女性の割合は、現状、登録者全体の1割ほどです。まだまだ多いとは言えませんが、昔に比べると徐々に増えているとは感じます。かつては『エンジニア=理系』で、男性的なイメージが強かったのも一因だとは思いますが、最近は文系からエンジニアになられる方も増えていますので、価値観の変化も影響しているのではないでしょうか。

――現状、女性のITフリーランスエンジニアの悩みとしてどのようなことが多いのでしょうか。

「継続して長くフリーランスとして働かれている場合、出産のような長い休みをとる必要のあるライフイベントをどのタイミングにするか、といったことは悩ましいかもしれません。以前、弊社所属の女性エンジニアの交流会を開いた際にも、産休育休といった話がウエイトを占めていた印象なので、皆さんけっこう気になっていらっしゃるんだとは思います。
一方で、会社員の女性が産休育休を経て、会社を辞めてフリーランスになられるケースもあるため、ご自身でお仕事をコントロールできるという意味では出産・育児には適しているのかもしれません」

――「ITエンジニア×フリーランス」は、かえって女性の新しい働き方としてマッチすることがわかってきたという感じですね。

「そうですね。これまではエンジニアといえば『長時間労働』や『産休などのライフイベントの際、途中でプロジェクトを抜けにくいかも』といったイメージから女性に敬遠されていた側面もあるのかなと思うのですが、最近は働き方改革や在宅環境で働ける仕事も増えて、社会の環境が改善されているなと感じます。

そういう意味では、エンジニアに興味があるけれど、労働環境への懸念があったという方がいらっしゃるなら、ぜひチャレンジしてみてほしいなと思います。

2024年11月1日から、フリーランスの取引に関する新しい法律『フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス新法)』が施行され、産休育休についてもエージェントを通して相談できる環境になりましたので、フリーランスエンジニアの仕事についても、かなり女性が働きやすい環境になっていると思います」

ITフリーランスエンジニアを取り巻く課題

ITフリーランスエンジニアイメージ

続いて、昨今のITフリーランスエンジニアに関する状況について、同社のビジネスプロモーション部部長 永田聡さんにインタビューしました。

――近年のITフリーランスエンジニアの登録状況をお聞かせください。

「年々、ITフリーランスエンジニアの方々からのご登録は増加しています。ご自身のキャリアパスや、ライフプランを自ら選べる働き方であること、報酬も自身の納得のいく選択ができる働き方であることなどから、今後も市場ではITフリーランスエンジニアとして活躍される方は増加していくと見込んでおります」

――企業においてはどのような需要が高まっていますか?

「企業の需要はアーキテクトや技術の進歩により、日々、新たな技術を求められている傾向は昔も今も同様ととらえておりますが、AIの活用の拡大に伴い、専門的技術と同様にディレクションスキル(ヒューマンスキル)を求められるPM(プロジェクトマネージャー)や、PMO(※2)スキルの需要が高まっている傾向にあり、今後もさらに加速していくと見込んでいます」

※2 PMO(Project Management Office):各プロジェクトマネジメントを支援するための部門や役割を持つ組織。

――ITフリーランスエンジニアをとりまく環境をよりよくするために取り組まれていることをお教えください。

「弊社は創業から今も変わらず『ITフリーランスエンジニアの社会的地位が高まる社会を創り上げる』という理念のもと、様々な取り組みを行って参りました。特に昨今ではフリーランス新法により、より多くの方がフリーランスとして安心して働ける環境が整っていく方向であるととらえております。

また、フリーランスは自身でキャリアアップ、スキルアップに生涯、取り組み続ける必要がありますが、PE-BANKではスキルアップ、キャリアアップにつながるサポートや、最新技術動向をテーマとした技術系ウェビナー開催を行っており、ITフリーランスエンジニアの方々が継続的に案件を受注できるスキル、キャリアアップを目指せるよう取り組んでおります」

ITフリーランスエンジニアは、新しい働き方として、男女ともに徐々に増加していることがわかります。そしてフリーランス新法が象徴されるように、社会的にも働きやすい環境が整ってきているようです。

これまでできないと思っていたことも、できるチャンスが拓けています。さまざまなチャレンジやビジネスを始めてみてはいかがでしょうか。

Top Photo by Icons8 Team
Last Photo by Cayley Nossiter

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