【UNICORNインタビュー】「絶対作りたい♡」の嵐!オリジナルWedding絵本が話題の絵本アーティストRicacoさん
今は、誰もがコンテンツをAIなども駆使しながら生成し、SNSなどで発表できる1億総クリエイター時代。アーティストとして生き残っていくためには、独自の価値をいかに発掘し、打ち出していけるかにかかっています。
そうした中、持ち前の才能を元に独自の価値を発掘してコンテンツ化し、事業につなげているアーティストがいます。
今回は、絵本アーティストのRicacoさんに、代表的なコンテンツの特徴やきっかけ、アーティストとして独立した背景や仕事のやりがい、今後のキャリア展望などをうかがいました。
お話を伺ったのは…Ricaco(りかこ)さん

1993年 神奈川県湘南生まれ。白百合女子大学児童文学・文化専攻で絵本制作を学ぶ。大学在学中に絵を学ぶためロンドンに留学。キングストン大学デザイン留学コース、ロンドン芸術大学絵本イラストレーションコース修了。
大手人材広告企業にて、広告制作や動画制作に携わる傍ら自身の制作活動を行う。2018年絵本『あめのひに』がジーグレイプ賞を受賞しイタリアのボローニャ国際絵本見本市に出展された。
絵本制作を中心に、身近なモチーフを独特な色づかいと幻想的な表現に、どこかリアリティさが加わり、見る人を惹きつけるタッチで描く。現在は絵本を起点に、ウェディング・ペット・アパレル事業を展開。
公式サイト:https://ricacosart.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ricacosart/
最も注力している結婚式のオーダーメイド絵本事業へのこだわり

私は絵本をギフトとして贈ったりアートとして楽しんだりする、“大人のための絵本”を作って広めたい、という思いで活動しています。
結婚式のオーダーメイド絵本WEDDING ART BOOK『愛おしい日々』や、ジェンダーリビール絵本『赤ちゃんは森の奥に』などが代表的な事業です。
とにかく絵本が好きなので、「絵本みたいな世界観」というテーマで、絵だけではなくファッションやライフスタイルなどの日常もSNSで発信しています。おとぎの国をテーマにした結婚式も、準備段階から投稿していたらインスタで大きな反響がありました。絵本の世界観を落とし込んだアパレルや雑貨も販売しています。
このうち、現在一番注力しているのが、WEDDING ART BOOK『愛おしい日々』です。私は2024年5月に結婚式を挙げたのですが、その際に「絵本を作って大切な人(家族)に贈りたい」という長年の思いを形にしました。自分が生まれてからこれまでの「愛おしい日々」を描き、結婚式という大切な日に家族と振り返るために制作し、式の中で読み聞かせをしたんです。
この結婚式体験をSNS上で発信したところ、大きな反響があったことから、それがきっかけで事業をスタートしました。依頼者の思い出を物語に書き起こし、写真を水彩で一つずつ絵にしてオーダーメイドで仕上げます。

絵本は、2冊並べたときに新郎新婦が向き合う両面表紙のデザイン。一方から読むと新郎の、もう一方から読むと新婦の物語となっており、そして真ん中のページで2人が出会い、結婚式を挙げるのが基本構成となっています。
依頼者の結婚式のテーマカラーや装花に合わせてデザインを考え、アートとしても楽しめるようこだわっています。現在、一ヶ月に一組しかお受けしていないのですが、来年の春まで予約が埋まってきており、嬉しい限りです。

絵本に魅了されたのは15歳の誕生日

私が絵本に魅了されたきっかけは、15歳の誕生日に親友から仕掛け絵本をプレゼントしてもらったときまでさかのぼります。「絵本って、小さな子どもじゃなくてもこんなに楽しめるんだ」と感動したのを今でも覚えています。絵本は手のひらに収まるアートでもあり、たった十数ページで人の心を動かせるのです。
その頃から、絵本をギフトとして贈ったり、アートとして楽しんだりする“大人のための絵本”を作りたいと思うようになりました。
大学は、絵本について専門的に学べる白百合女子大学に進学しました。在学中はロンドンに1年間アート留学し、帰国してすぐに取り組んだ卒業制作絵本『あめのひに』がジーグレイプ賞という出版社が主催する絵本の賞を受賞。世界で一番大きい絵本の見本市・ボローニャブックフェアに出展されました。
私の将来の夢と目標は明確でしたが、小学校から大学まで女子校育ちだった私は世間知らずという自覚があったので、大学卒業後はすぐに独立せず、経験と人脈を作るために、まずは企業に就職することにしました。調べるうちに、かの有名な絵本作家レオ・レオニ氏も含めて、広告代理店出身の絵本作家の方が数人いると知り、広告業界を第一志望にしました。
会社員から独立を決意したきっかけ

結果、広告事業も営む株式会社マイナビから内定をもらい、そこから退職するまでの6年半は、会社員として全力で取り組みました。社内で大きく表彰されたり主任に昇格したりするほどです。
マイナビニュースのエンタメ動画編集部におり、毎日、芸能記者会見や映画の舞台挨拶に行って、現場近くのカフェで動画を短時間で編集し、速報としてYouTubeチャンネルにアップするという日々を送っていました。
一人で取材現場を回って動画を編集する毎日が刺激的だったのと、編集やサムネイルを工夫して再生数を伸ばすというのが楽しくて、なかなか辞めるきっかけがありませんでした。
そんな中、付き合って5年目だった彼との結婚が決まり、将来について改めて考えるようになりました。30代前半で子どもも授かれたらいいなとも思っていましたが、ちょうどその時、妊娠したばかりの姉の様子を見ていて、独立するなら今しかないかもしれないと強く感じました。それまで何度か相談しては反対されていた家族もようやく背中を押してくれるようになり、ついに独立を決意しました。
現在の絵本アーティストとしての仕事のやりがい

“絵本を大切な人に贈る”という新しいアイディアに、「素敵!」と共感してもらえることが一番のやりがいです。
「どうしてもRicacoさんの絵本を、結婚式で家族にプレゼントしたい」「どうしてもそのジェンダーリビール絵本で、性別を発表したい」というお問い合わせもよくいただきます。そしてその絵本を手にした方から、喜びの声をいただくのが本当に嬉しいです。
会社員時代に身につけた動画編集スキルを活かして、SNSで反響をもらえるのもやりがいの一つ。動画で伝える手段がなかったら、私のサービスや思いもここまで広まっていなかったと思います。
絵本を描いたり、それを動画にしたり、日々自分の好きなことばかりしているので、とにかく毎日が楽しいです。
今後のキャリア展望
近い将来、個展やイベントを開催したいと思っています。これまでイベントに出店したことはありますが、自ら主催したことがないため、もし個展やイベントをやることになったら、単に絵を飾る展示ではなく、絵本の世界観を再現した空間をプロデュースしたいと思い、今から思い描いています。
10年後、20年後には、WEDDING ART BOOKをさらに拡大させていきたいです。そして、絵本といえば私の名前が出るような存在になっていたいです。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。