【UNICORNインタビュー】原体験から生まれたオンラインピルサービスで働く女性をサポート 坂梨亜里咲さん 女性起業家インタビュー
女性活躍推進が叫ばれているいま、PMSや生理痛、不妊の悩みなどは女性がパフォーマンスを上げるために支障になることも。そんな中、便利なフェムケアサービスも増えており、女性の健康悩み軽減だけでなく、パフォーマンス向上にも役立ちます。
今回は、産婦人科医の相談に特化したオンラインピルサービス「mederi Pill(メデリピル)」を手がけるmederi(メデリ)株式会社 代表取締役の坂梨亜里咲さんに、自らの原体験に基づくサービスの開発経緯と女性のパフォーマンス向上への貢献などをテーマにお話を伺いました。
お話を伺ったのは…坂梨亜里咲(さかなし ありさ)さん
mederi株式会社代表取締役。明治大学卒業後、ECコンサルティング会社にてマーケティング及びECオペレーションを担当。女性向けwebメディアのディレクター、COO、代表取締役を経験した後に、mederi株式会社を設立。2020年3月より自らの4年にわたる不妊治療経験から気づきを得たプロダクト『mederi Baby(旧Ubu)』をスタート。2022年からはオンライン診療ピルサービス『mederi Pill』事業も展開。
産婦人科医に相談できるオンラインピルサービスを開発したきっかけは?

「mederi Pill(メデリピル)」は、産婦人科の予約、診療、ピルの処方がすべてスマホで完結するサービスです。
月経不順や生理痛などのお悩みを、産婦人科医に手軽にLINEから相談できるのが特徴で、初回のピル処方代は無料、診療代はずっと無料です。
ユーザーは20~30代が多く、PMSや生理痛に関するお悩みが多く相談されています。
私は高校2年生のときから月経不順で、月1回は産婦人科に通っていましたが、移動コストが重荷になっていました。また私の周りには、産婦人科医がなんとなく苦手という人も多く、その頃からもっと気軽に産婦人科医に相談できればいいなと感じていました。
サービス化を本格的に考えたのは起業後しばらくたってからですが、その頃から思いはありました。
女性のパフォーマンス向上の観点からサービスが貢献することは?

当サービスは、生理痛やPMS、月経不順の悩みなどをお持ちの方に利用されていますが、悩みを解決するだけでなく、それによって日々の仕事や学業のパフォーマンスを向上させるという意味でも、活用していただきたいと考えています。
女性は約40年、生理と付き合っていくこととなり、女性ホルモンの変動によって何らかのトラブルが起きる可能性があります。
日本では生理痛などは仕方がないとみなされていることも多いですが、ピルによって女性ホルモンを整えることは、自分の経験からも、パフォーマンスもよくなる可能性があると思っています。
「mederi for biz(メデリフォービズ)」という福利厚生サービスもご提供しているのですが、2023年に導入いただいた企業様が、ピル服用後の仕事のパフォーマンス変化について従業員の方へアンケート(※)を行ったところ、約8割の方が仕事のパフォーマンスの向上を感じたと回答しています。
キャリア女性は特に忙しいことから時間がないことが多いと思いますが、“自分らしく”いられる選択肢の一つとしてピルを活用していただけると良いと思います。
出張に合わせて生理をずらしたいときなどにも使えますしね。
産婦人科医には、LINEで朝7時から夜12時までいつでもどこでも、些細なことでも相談できるので、お仕事が終わった後、始める前にもご利用いただけます。
ピルの服用に伴うリスクへの対応は?
ピルについては、私自身、長い間服用して女性ホルモンを調整しているので、PMSや生理痛に悩んでいません。
ピルは一般的に血栓症のリスクがあるといわれています。
mederi Pill(メデリピル)では、最大限リスクを排除するために、ピル処方の豊富な経験を持つ産婦人科医の方にお願いし、24時間相談できるLINE窓口をご用意し、クリニックと提携するなどの取り組みを行っています。
ピルには他に副作用もありますので、些細なことでも相談いただければと思います。
今後の展望とハイキャリア女性へのメッセージ
当サービスを通じて、今後も女性ならではの悩みに寄り添っていきたいと考えています。
リリースから約3年経って、寄り添えている実感が増していますが、さらに妊娠・出産、キャリアアップ、更年期症状にも貢献できるようなサービスにしていきたいです。
女性活躍推進という社会課題に対しても、貢献していきたいと考えています。
私は26歳で子会社社長になったのですが、おそらく心身のコンディションがよかったから抜擢されたのだと思っているんです。その経験もあり、女性が長く働いていくに当たって体調管理はベースのスキルだと思っています。フェムケアサービスやアイテムは多数出ていますので、自分が心地よくなる対策の一つとして探求してほしいですね。
また、今は20代のユーザーの方が多いため、その方々が更年期になる頃に合わせて、更年期向けサービスの提供も考えています。
私は、根底に産婦人科の検査や診療を受けてほしいという思いがあります。オンライン診療をうまく活用しつつ、不安があればきちんと対面診療を受診し、仕事とうまく両立してほしいと思っています。
※株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「低用量ピル服用費補助制度導入開始から1年、初めてアンケートを実施」
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